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Guideline for Family
■インターネット利用ガイド(家庭編)
"Internet Guideline for the Family" Version 1.00 Established
Dec 13/2002
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☆ご注意☆
この文書はとても長文になっています。ダイアルアップ接続の方は、ページ全体を読み込んだところで、電話を切断してゆっくりお読み下さい。
1.はじめに
インターネットの急速な普及により、一般の家庭からインターネットを利用することも珍しくなくなりました。この背景には、ハードウェアやソフトウェアの急速な進歩と、ADSLやCATVなどの高速接続環境の急速な普及があります。しかしながら、それを利用する側の「技術」は進歩したのかどうかというと、はなはだ心許ないものがあります。コンピューターウイルスが長期間にわたって流行したり、ダイヤルQ2や国際電話料金の請求トラブルもあとを絶ちません。ここでは、特に家庭からインターネットを利用する際に、注意すべきこと、守るべきことをまとめています。これらの事項を良く理解されて、安全かつ有益なインターネット活用に役立てていただければ幸いです。
2.本ガイドの対象
本ガイドでは、以下の条件でのインターネット利用を前提に説明します。この条件以外の利用についても、当てはまる部分は多々あるかと思いますが、環境により異なりますので、個別にご判断下さい。
- 一般家庭でのインターネット利用(ホームページ閲覧、電子メール)
- ダイアルアップによる一般的な接続環境
- WindowsまたはMacintoshパソコンによる利用
3.インターネットでできること
このページをご覧になっているあなたなら、インターネットでできることをいちいち説明しなくても、十分ご存じでしょう。Webサイトの閲覧や、電子メールの送受信、ちょっと活用されている方なら、チャットやニュースグループの利用、あるいは、ご自分でホームページを作成し、情報発信されているかもしれません。いずれにしても、自宅のパソコンの前に居ながらにして、世界中とデータを自由にやり取りできる、それがインターネットの最大のメリットであると言えるでしょう。
4.インターネットの光と影
こうしたインターネットの世界は、「バラ色」に見えるかもしれませんが、現実のこの世の中と同じように、「光」あるところには必ず「影」があります。インターネットを利用していれば、楽しいこと、嬉しいことばかりではなく、悲しいこと、嫌なことに出会うこともあります。いったい、どんな「悲しいこと」、「嫌なこと」があるのでしょうか。
例えば、以下のようなケースが実際に起こっています。
(ケース1)コンピューターウイルスの感染により「加害者」になる
Aさんは、週に一度か二度インターネットを利用する初心者ですが、ある日、変なメールが届いているのに気が付きました。件名が英語だったので、何か変だなと思いながらクリックしてみると、訳の分からない英文が表示されました。送ってくれた人はよく知らない人でしたが、何か間違って送ってしまったのかな、なんて思いながらそのまま削除しました。その後もインターネットをときどき利用し、特におかしな様子もありませんでしたが、1週間ほどたったある日、友達のBさんから電話がかかってきました。「あんたとこからウイルスが送られてきて、うちの仕事で使っているパソコンが壊れてしまったよ! どうしてくれるんだ!」 突然の怒りの声に、何がどうしたのか分からなくなりましたが、「もしかして」と先日のおかしなメールのことを思い出しました。パソコンに詳しい友人に相談すると、すぐにウイルス対策ソフトを入れた方が良いとのことなので、慌てて店に走り、ソフトをインストールしてみると、案の定、受信メール中のウイルスが検出されました。気が付かないうちにウイルスに感染して、知人にウイルス付きのメールをばらまいていたのです。でも原因は分かりましたが、Bさんには何と謝ればいいのでしょう? 損害賠償とか言い出されたらどうしたらいいのでしょう? Aさんは頭を抱え込むしかありませんでした。
(ケース2)気が付いたら10万円の請求書が
Dくんは高校2年生。先月、以前からご両親にねだっていたパソコンを、やっと買ってもらうことができました。ご両親は、パソコンは苦手なので使うこともないし、Dくんの勉強にも役立つだろうということで、パソコンをDくんの勉強部屋に置くことにしました。さらに、Dくんが通信料金を小遣いから払うことを条件に、インターネットにも接続し、いよいよ念願のパソコンライフが始まったわけです。以前は夜遅くまで見ていたテレビもそこそこに、インターネットに夢中になっていましたが、思春期真っ最中のDくんでしたから、アイドルやタレントのホームページを見ているうちに、ちょっとエッチなホームページを覗いてみたい誘惑に駆られてきました。幸い、夜も11時を過ぎれば、だれも勉強部屋を覗きに来ることもありませんし、やがて検索ページで見つけたアダルト向けのホームページをちょくちょく楽しむようになりました。Dくんが契約していたプロバイダのプランは使い放題で月額¥2,000、毎日20〜30分インターネットをしても、通話料金は¥2,000までと計算していましたから、十分小遣いから払える範囲です。料金のことはすっかり忘れて楽しむ日々が続きました。ところがある日学校から帰ると、お母さんが「ちょっと、今日電話会社から、10万円の請求が来たわよ! あなた何かしたんじゃないでしょうね!」とえらい剣幕です。Dくんには何のことかさっぱり訳が分かりませんでしたので、電話会社のお客様窓口に問い合わせてもらうと、「アダルト向けのホームページを閲覧していて、気付かないうちに国際電話に接続されるトラブルが多発しているので、発信している電話番号を確認するように」、と言われました。パソコンのマニュアルを片手に、電話番号を確認してみると、そこには「001−XXXX・・・」という見知らぬ電話番号が! どうやら気が付かないうちに電話番号が変わっていて、毎晩、国際電話をかけていたようなのです。「いったいいつの間に・・・」。Dくんは目の前が真っ暗になってしまいました。
ここでは2つのケースしか紹介しませんが、これ以外にも多数のトラブルが起こっています。別にあなたを脅かすつもりなど、さらさらありませんが、そういう現実があることをここで知ってもらいたいと思います。
5.インターネットにまつわるトラブル
ここ最近、日本国内で特に目立って多発しているインターネットにまつわるトラブルのうち、あなたに直接関係がありそうなのは、以下のようなものです。
- コンピューターウイルス
- ダイヤルQ2や国際電話への接続
- 在宅ワークや内職などの勧誘
- 掲示板、チャットなどでのトラブル
- 子どもの有害サイト閲覧
トラブルを回避するためには、まず、どういったトラブルがあるのかを知ることが何よりも重要になります。以下に具体的に説明しましょう。
5.1 コンピューターウイルス
そもそも「コンピューターウイルス」というものは、人間に取り付く病原菌やウイルスのように、パソコンに感染して、データを破壊したり、自己増殖したりする、たちのわるいプログラムの
一種です。困ったことに世の中には、人が困るのを喜ぶ人達がいて、そういう悪質なプログラムを日々開発しています。しかも以前は、ウイルスがパソコンに感染しても、被害はそのパソコンだけで済むことが多かったのですが、最近はインターネットでパソコンがつながれているので、被害はあっという間に拡大します。ウイルスはこんな風にして、インターネットを通してあなたのパソコンに入ってこようとします。
- 電子メールの添付ファイルに潜んで
- ホームページを閲覧している最中に
突き詰めれば、インターネットに接続して、外部のさまざまな情報を得られるということと引き替えに、つまらないウイルスまでもらってしまう可能性があるということです。そんな危険なもの、怖くて使えない!なんて言わないでください。後に説明する対策をちゃんと行えば、これらの危険性はほぼ避けることができるのです。
5.2 ダイヤルQ2や国際電話への接続
このページをご覧になっているあなたは、現在契約されているプロバイダのアクセスポイントに電話を接続しているはずです。通常、最も近いアクセスポイント(同一市内が最も望ましい)に接続しているはずですが、何らかの操作により、ダイヤルQ2(0990で始まる有料回線)や国際電話に接続してしまう場合があります。多くの場合、以下のようなパターンが多いと思われます。
- アダルトページを閲覧していて
- 「ここから先を見るには以下の接続ソフトを使ってください」との説明があり
- 接続ソフトをダウンロードして
- そのソフトを実行して、目的のページを閲覧してしまったとき
あるいは、2のステップの代わりに、「あなたは責任の持てる大人ですか?」と
表示されるかもしれません。いずれにしてもあなた自身がクリックすることで手順が進んでいきます。
これはいったいどういうことなのでしょう? 実はここで出てくる「接続ソフト」とは、あなたのパソコンに設定されているアクセスポイントの電話番号を、ダイヤルQ2や国際電話の番号に書き換えてしまうソフトなのです。さらに、そのホームページを見終わった後も、ずっと同じ番号にダイヤルするようになってしまいます。しかもやっかいなことに、そのダイヤルQ2や国際電話に接続してしまっている状態でも、他の一般的なホームページを表示することができるので、まったく気が付かない可能性があります。このため、電話料金の請求書が来て始めて気が付く、といったケースが多発しています。
実は、こういったホームページを開設している業者は、ダイヤルQ2や国際電話の利用料金から収入が得られる仕組みになっており、言い換えれば、だれか引っ掛かってくれるいいカモを狙っている、ということになります。ホームページを開いている人の中には、そんな悪意を持った人も少なからずいる、ということは肝に銘じておいてください。
5.3 在宅ワークや内職などの勧誘
あなたは日曜日などに入る新聞の求人折り込みなどで、自宅で「手軽に」できる在宅ワークや、インターネットやパソコンを使った内職の募集をみたことがありませんか。あるいは雑誌などでも、家事の合間に在宅ワークで副収入を得ている主婦の成功談を見たことがあるかもしれません。確かに、パソコンが家にあって、家事の合間のちょっとした時間に内職ができる、または、会社に勤めながら副収入を得られるなら、そんないい話はありませんが、実際にはトラブルが多発しています。例えば、こんな例があります。
- 在宅ワークを希望したら、数十万円の研修を受けるよう要求された
- 同じく、高価なパソコンセットを購入するよう求められた
- 重要な書類を扱うための保障として、数十万円の保証金を要求された
- お金は支払ったものの、仕事がほとんどこないか、全くこない
- 納品したものの、間違いが多くて使えないと報酬の支払いを拒否された
- 仕事は少しずつ来るが、いつまでたっても報酬が支払われない
これらは必ずしもインターネットに関わるものとは限りませんが、インターネット(特に電子メール)を利用した作業が、どこの誰にも可能となったことから、さらに拡大しているものと思われます。
すべての業者、すべての在宅ワークが危険というわけではありませんが、いずれも、お金が絡む問題だけに、慎重になるべきであるのは確かです。
5.4 掲示板、チャットなどによるトラブル
もっぱら携帯電話による出会い系サイトが社会問題になっていますが、パソコンでも利用できるサイトもたくさんあります。多くは、掲示板やチャットといった形式になっており、参加者が自由にメッセージを書き込んで、お互いに情報を交換するものです。見知らぬ人といろいろな会話をすることは楽しいことですが、同時に多くの問題も潜んでいます。例えば、こんな例があります。
- 掲示板にメッセージを書き込んだ直後から、卑猥ないたずらメールが届くようになった
- チャットで知り合った人と直接会うことになり、実際に出かけたら、犯罪に巻き込まれた
- 知らない間に、自分の名前で誰かが掲示板に投稿していた
- 名前や住所を教えたことはないのに、チャットで知り合った相手が自宅にやってきた
いずれも、単なるいたずら程度であれば被害は少なくて済みますが、犯罪に巻き込まれるケースも少なくありません。何が危険なのか、よく理解した上で利用することが最低限必要です。
5.5 子どものアダルトサイト閲覧
インターネットというのは自由な世界です。それはそれで素晴らしいことですが、裏返せば無法地帯といえなくもありません。その世界に無数に開設されたWebサイトには、素晴らしい感銘を与えてくれるものから、不快になるだけのつまらないものまで、まさに玉石混淆状態です。日本国内で運用されているものは、日本の法律で規制されていますが、それでも、成人向けのものや、犯罪、薬物などの、子どもが閲覧するのに不適切なものが多数存在します。さらに、日本の法律の届かない、海外のサイトの場合には、もっと問題のあるものが
文字通り「星の数ほど」存在します。
しかも何よりやっかいなのは、それらの「有害な」サイトについて、どこのだれでも自由に閲覧できるということです。あなたはその気になれば、このページの閲覧を取りやめて、そういったページを見に行くことも簡単にできるのです。ちょっと検索方法を学んだ子どもたちなら、そんなページにたどり着くためには、ほんの5分もあれば、十分でしょう。
あなたがこっそり夜中に楽しむのは、あなた自身の責任と判断に任せますが、子どもたちにそういうものに触れさせることを避けるのは、大人の義務でしょう。最近は、内容によって閲覧を制限するソフト(「フィルタリングソフト」などと呼ばれます)が市販されていますので、それを利用することもできますが、星の数ほど
あるWebサイトの全てをカバーするものではなく、100%完全ではありません。
インターネットを利用させることは、同時にそういう危険性をもはらんでいる、ということを念頭に置いてください。
6.何に注意すればいいのか
あれもだめ、これもだめ、というのでは、インターネットもつまらないものになってしまいますが、何よりも大事なポイントは、
- 常に危機意識を持つこと
- 「自分の身は自分にしか守れない」ことを常に頭に置くこと
にあるといえます。「こんなことしたら危ないかな?」とか、「これは何か怪しいぞ!」というように、言葉は良くないですが、常に「疑いの目」で見ていれば、かなりの割合で危険を避けられるはずです。逆に「これくらいなら大丈夫だろう」とか、「私に限って何か起こるはずなんてないよ」などと考えるのは、非常に危険です。具体的に、どうすればいいのか、以下に説明していきます。
6.1 コンピューターウイルスへの対策
コンピュータウイルス対策としては、ズバリ、以下の2点が必須です。
- ウイルス対策ソフトを利用すること
- セキュリティ上の不具合を常に解消すること
具体的にどうすればいいのか、見ていきましょう。
ウイルス対策ソフトというのは、コンピューターウイルスを見つけ(検知)、取り除いたり(駆除)、消してしまう(削除)ことができるソフトウェアです。現在、市販されているソフトとしては、以下のようなものが代表的でしょう。
- 「ウイルスバスター2003」 トレンドマイクロ社
- 「ノートンアンチウイルス2003」 シマンテック社
- 「ウイルススキャン」 ソースネクスト社
いずれも¥4,000〜¥5,000程度で手に入りますし、新しいパソコンの中には、こうしたソフトをあらかじめ搭載している機種もあります。どのソフトを利用しても、コンピュータウイルスの危険から、あなたのパソコンを守ってくれます。ここでは、詳しいインストール方法や、設定方法は省略しますので、ご自分でソフトウェアの説明書や、Webサイト上の説明をよく読んで、実行してみてください。ただし、ここで特に注意していただきたいのは、「ソフトを
組み込んでさえいれば(インストールしていれば)それで安全というわけではない」ということです。一体私は何が言いたいのでしょう?
そもそもウイルス対策ソフトは、パソコン上で使われる様々なデータを、リアルタイムで監視しています。ワープロ文書を開こうとしたとき、ファイルをコピーしようとしたときなど、気づかないうちに一つ一つのデータにウイルスが潜んでいないかチェックします。このチェックには「ウイルス定義データ」と呼ばれる、いわばウイルスの「お尋ね者リスト」を使っています。つまり、ウイルス対策ソフトは、この「お尋ね者リスト」を見ながら、ウイルスかどうかを判定しているわけです。
ところが困ったことがあります。コンピューターウイルスは世界中で作られ、しかも毎日のように新しいものが見つかっています。もし、「お尋ね者リスト」に載っていない、新しいウイルスがあなたの元に届いたらどうでしょう? 残念ながら、ウイルス対策ソフトはウイルスであることを見抜けず、ウイルスはあなたのパソコンにやすやすと侵入してしまう、ということになります。
では、どうすればいいのでしょうか? 実は答えは簡単で、ウイルス対策ソフトが持っている、データ更新機能(メーカーによって呼び方は違うことがあります)を利用します。この「データ更新機能」というのは、インターネットを通してメーカーの
コンピュータ上にある最新情報リストを、自分のパソコンに取り込むというもので、インターネットに接続している環境であれば、ボタン一つでできるものが多くなっています。
話が長くなりましたが、結局、ウイルス対策ソフトをインストールし、さらに、定期的にデータを更新し続けるということが重要なわけです。可能なら2〜3日に一度、少なくとも週に一度程度行えば、ほぼ完璧と言えるでしょう。
あと、もう一つの、「セキュリティ上の不具合を常に解消」とはどういうことか見ていきましょう。
あなたが毎日使っているパソコンには、いろいろなソフトウェアが入っています。インターネットに関係するものだけでも、インターネットエクスプローラー(Internet
Explorer)やアウトルックエクスプレス(Outlook Express)など、立ち返って考えてみれば、Windows98やWindowsXPというのもソフトウェアの一種です。これらのソフトウェアは、普段は問題なく動作しているものの、何らかの不具合(専門的には「バグ」と呼ぶことがあります)を内部に持っていることが少なくありません。お金を出して買っているのに、不具合があるの!?と腹を立てる方もいらっしゃるでしょうが、そこは人間が作ったものですから、完璧なものは存在
しませんし、何らかの問題を抱えているものなのです。あなたも、パソコンを長く使われていれば、いきなりカーソルが動かなくなったり、原因不明のエラーになったりした経験をお持ちでしょう。ところが、これまたやっかいなことに、不具合を悪用すると、インターネットに接続したあなたのパソコンの中身を外からこっそり覗いたり、パスワードや大事な情報を盗み取ることもできることがわかっています。こうした状況では、安全にパソコンやインターネットを利用するには、これらの不具合を解消することが重要なキーとなってきます。具体的に、どうすれば解消できるのでしょう?
Windows98、Me、2000、XPのパソコンをお使いなら、スタートボタンを押したときに出てくる項目の中に、「Windows
Update」というのがあるのをご存じでしょうか? 実はこの「Windows
Update」というのが、インターネット経由で不具合などを自動修正してくれる機能なのです。ご存じでしたか?
そうです。この項目をクリックすれば、自動的にインターネットに接続したうえで、現在のパソコンの状態に応じた不具合の修正をほぼ自動的に行ってくれます。結局、定期的に(最低でも月に一度以上をお勧め
します)、この「Windows
Update」で、不具合を修正していれば、より安全にインターネットを利用できる、ということになるのです。
危ないことはわかったけど、面倒くさくてとてもできないなあ、なんて思われるのなら、インターネットを利用されないことをお勧めします。何ら対策をしていなくて、ご自分のパソコンが被害を受けるのはやむを得ませんが、人に迷惑をかけるのは困りものです。
インターネットを利用する以上、インターネットを利用する全ての人が、快適かつ安全に利用できるように、あなたも努力する義務があるのです。
ところで、万一ウイルスに感染してしまったときにどうしたらいいかもお話ししておきましょう。まず必要なのは、電話線やネットワークのケーブルを抜き、いっさいの通信を遮断することです。こうすることで、少なくとも、他のパソコンに被害が広がることを防ぐことができます。
それから先の手順は、感染したウイルスによって異なります。パソコンに詳しい友達か、専門家に相談するのが良いでしょう。
6.2 ダイヤルQ2などの接続対策
知らない間に、ダイヤルQ2や国際電話に接続されて、高額な料金を請求されるという問題に対しては、さきのウイルス対策ソフトは役に立ちません。たしかに、勝手に電話番号を書き換えるのは、腹立たしいことではありますが、ウイルスとは性格が異なるため、多くの場合、ウイルス対策ソフトでは検知できません。では、一体どうしろというのでしょうか?
方法は、大きくわけて2つあります。
- どういうときに危険かをあらかじめ知っておき、事前にトラブルをさける
- ダイアルチェックソフトなどを活用する
まず、どういうときに危険なのかについてですが、さきに例で説明した文章をもう一度ここに説明しましょう。
- アダルトページを閲覧していて
- 「ここから先を見るには以下の接続ソフトを使ってください」との説明があり
- 接続ソフトをダウンロードして
- そのソフトを実行して、目的のページを閲覧してしまったとき
勝手に電話番号を書き換える、と説明しましたが、ほとんどの場合は、ご自分が(ご自分自身で)電話番号を変える操作を行った結果、そうなるということに気がついてもらわなければなりません。ここにあげた例の「接続ソフト」とは、「電話番号変更ソフト」なわけです。つまり、こうした接続ソフトを利用するようなWebサイトを見なければ安全、ということになります。
ただし、ちょっと注意して欲しい点があります。こうしたWebサイトを解説している業者も、お金儲けをしようとしているわけですから、何とかあなたをだまそうと頭をひねっています。通常、「ソフトをダウンロードしますか?」とメッセージが出る部分を、年齢認証と偽って「あなたは18歳以上ですか?」とメッセージ表示する場合があります。この「トリック」を見抜けずに、「OK」ボタンをクリックすると、あとはさきにお話ししたような悲しい結末が待っているかもしれません。
もしあなたにお子さんがいて、お子さんが一人でインターネットを利用する可能性があるなら、ここで説明している危険性について、ちゃんと説明してあげる必要があります。あなたは十分危険を知っているつもりでも、お子さんがこっそり変なページを覗いていて、こうした罠に引っかかる可能性も否定できません。けっして、お子さんを疑ったり、インターネットを取り上げたりせずに、オープンに危険性について説明し、ご家族そろって安全に利用できるように努めてください。少なくとも、子どもたちが間違ったことをしないように見守るのは、大人として当然の義務です。
それだけでは心配、という方の為に、電話番号の設定を常にチェックして、万一書き換えられたときは警告してくれる、そんなソフトもあります。Yahoo!などの検索ページで、「ダイアル」「チェック」などをキーワードにして探してみてください。無料のものもいくつかありますので、念のために導入するのも、一つの方法です。
6.3 在宅ワークや内職などの勧誘についての対策
申し訳ありませんが、この対策については、あれこれ述べるつもりはありません。そういった仕事を請け負うかどうかは、あなた自身が決める問題であるからです。ただ一つだけアドバイスするなら、
うまい話には必ず裏がある
ということでしょうか。空き時間を有効に利用して、月に10万円以上の副収入が可能、なんてうまい話が本当にあるのなら、応募が殺到してすぐに定員いっぱいになってしまうはずです。新聞の折り込み広告のすべてが悪質なものとは言いませんが、簡単に「うまい話」に引っ掛かってしまわないように注意してください。
もうひとつ加えるなら、そういう悪質なものの多くは、途中で止めたくても止められない、そんな仕組みになっているものが多いことも、忘れないでください。
6.4 掲示板、チャットによるトラブルについての対策
このトラブルに巻き込まれるのは、未成年者や女性に多く見られます。あなた自身が気をつけることももちろん大切ですが、ご家族や周囲の方々にも、正しい知識を教えてあげてください。具体的に、何に注意すればよいかというと、以下のような項目があげられます。
- 掲示板やチャットなどで、本名や電話番号などの個人情報を絶対に公開しない
- メールアドレスはどうしても公開せざるを得ないので、心配ならフリーメールなどを利用する
- 通常、掲示板などにアクセスするだけで、何らかの情報が送られていることを認識する
- 相手の言うことを鵜呑みにしない
さらに、未成年者に限って加えれば、
- インターネット上で知り合った人と、直接会ったりしない
- 自分自身のことだけでなく、学校や自宅が特定できるような話題をさける
といったことも必要です。順番に説明していきます。
まず個人情報については、神経質なくらいに大事に扱う必要があることを忘れてはなりません。不特定多数の人が訪れる掲示板では、どこのだれが目を光らせているかわかりませんし、悪質な業者などに情報が渡ったりしたら最後、それを取り返すことは不可能になります。
メールアドレスについては、本来は公開すべきではありませんが、掲示板やチャットによっては、不正な書き込みを防ぐ為に、公開しなければならない場合もあります。通常、プロバイダから与えられるメールアドレスは、
一度取得したら変えられない場合がほとんどですので、そういった大事な情報を公開することは、それなりのリスクが伴うことを覚悟しておかなければなりません。もしこれが心配なら、Yahoo!やHotmailなどのフリーメールサービスを利用してメールアドレスを取得するのが安全です。こういったアドレスなら、個人が特定される可能性は低くなりますし、トラブルが生じたら変更してしまえば回避できます。
ここで賢い方なら気が付かれたと思いますが、フリーメールというのは自分にとって便利であると同様に、どこかの悪質な敵にとっても便利に使えます。いやがらせやいたずらの相手を特定したくても、どこの誰かわからない、どうしようもないということも少なからずあります。まさに諸刃の剣というわけです。
次に、掲示板にアクセスしただけで情報が送られるという点ですが、実はこれは掲示板やチャットに限ったことではなく、どのようなWebサイトを訪問しても、送られるものです。例えば、接続しているIPアドレスやプロバイダ、Windowsやインターネットエクスプローラのバージョンなどは、全て自動的にサイトの記録に残ることがほとんどです。従って、その気になって調べれば、どこの誰かはわからなくても、どのあたりに住んでいて、どんなパソコンを使っているのかだいたいわかります。さらに、掲示板などに書き込まれた話題の内容などで絞り込んでいけば、個人を特定するのも、あながち夢ではありません。裏返せば、自分では名前や住所は隠しているつもりでも、情報が筒抜けになっている可能性があるということです。常にそのことを意識していないと、自分自身が特定され、ストーカーや、何らかの犯罪などに巻き込まれる可能性も出てきます。プライバシーを保護してくれるソフトがありますが、それでも十分とは言い切れません。従って、あまり怪しいサイトには出入りしない、もしどうしてもそこに入りたいなら、それなりの覚悟と対策をとって
臨むことが必要と言えるでしょう。
相手の言うことを鵜呑みにしないというのは、インターネットを利用されているならご存じですね。相手の顔や声、姿はいっさい見えないわけですから、メールや掲示板、チャットの文面だけで相手を信じるのは危険すぎます。極端な話、15歳の中学3年女子です、と言っていても、実際には50歳のオジサンかもしれないし、65歳の会社役員ですと言っていても、実は小学生かもしれません。写真を送ってもらうにしても、本人という保証はないし、結局、確認するすべはないのです。相手を信じるな、というのは、あまり気分のいい言い方ではありませんが、慎重であることに越したことはないのです。
ここまでお話しすれば、あとの2つは言わずもがな、です。思春期の少年少女にとって、インターネット上で、異性と出会い、付き合うことは、非常に心ときめかすものでしょうけれど、危険と隣り合わせであることを理解させる必要があります。ただし、あれしちゃダメ、これもダメ、という方法では、かえってコソコソと影で何かをしてしまう可能性があ
ります。ここはいっそのことオープンに、何が危険で、どうするべきかをきちんと子どもたちに説明し、正しく利用させることも大人のつとめではないでしょうか。
6.5 子どもの有害サイト閲覧の対策
残念ながら、基本的に完全な対策というものは存在しません。先にお話ししたフィルタリングソフトを利用するのも有効かもしれませんが、決定策ではありません。インターネットを導入するに当たって、利用ルールを話し合って決めるとか、リビングなどの共有スペースにパソコンを置く、などの対策を考えてみてください。
7.明るいインターネット利用のために
ここまで、さまざまな注意点をご説明してきましたが、ご理解いただけましたか? 実際、実に様々な問題が、あちこちに山積していて、しかも時々刻々と変化し続けています。昨日までのもっとも安全な利用方法が、今日は著しく危険な場合さえあります。先に説明したように、常に危機意識を持って、情報収集に心がけてください。
ここから後は、家庭でインターネットを利用する上で、個人的なアドバイスを紹介します。様々な意見があると思いますが、ここでは1つの意見として読んでください。
7.1 勉強部屋でのインターネットについて
私は、勉強部屋においたパソコンでインターネットを利用させるのは、反対です。これまで説明してきたように、インターネットには危険な側面を避けることができず、自分自身が十分危険性を熟知するまでは、一人で自由に使わせることは危険が大きすぎます。こういうお話をすると、必ず、私は子どもを信じているから、と言われる方がおられますが、何が危険であるかを十分教えないまま使わせることこそ、無謀であるとしか言いようがありません。自分の子どもに何か起こってからでは遅いということは、あなたにもおわかりでしょう。
理想としては、家族全員が集まるリビングにパソコンを置き、みんなであれこれ話しながら利用するのが、子どもとのコミュニケーションのためにも役立ち、結局はあなた自身のためにもなるのではないでしょうか。
7.2 制限する前に正しい知識を
さきにお話ししてきたように、あれもこれも制限するのではなく、正しい知識を与えるのが、大人の役割です。正しい知識に基づいて、安全かつ楽しいインターネットを体験させることが、将来のためにも重要でしょう。ただし、正しい知識を与えるためには、あなた自身も勉強しなければならないことにお気づきですね。あなたがまず勉強し、子どもに教える、逆に子どもも学校などで学んできたことからあなたに教える、そんなお互いの協力が、インターネットの安全性を高め、さらに家族間の関係にもいい結果をもたらすように思うのは私だけでしょうか。
8.最後に
長い文章にお付き合いいただき、感謝します。ここまでにお話ししてきたことは、本当は、既にインターネットを使っている、あなたが既に知っているべき内容ばかりなのです。何も知らないでインターネットを利用することの危険性をわかっていただければいいのですが。
インターネットは、これからの社会では、好む好まざるに関わらず、避けることはできない世界です。子どもたちがこれから先の長い年月、厳しい社会の中で生きぬいていくための大きな力となるように、一緒に勉強し、インターネットの力を磨いてください。わたしも応援しています。
付録 関連リンク
関係Webサイトへのリンクです。有益な情報のサイトばかりですので、それぞれ訪問してください。 ■ソフトウェアメーカー
シマンテック − Nortonシリーズでおなじみ、無料のセキュリティチェックも
http://www.symantec.co.jp
ソースネクスト − ウイルススキャンなどMacAfeeシリーズの販売
http://www.sourcenext.com
ネットワークアソシエイツ − ウイルススキャンの開発元。ウイルス情報多数。
http://www.nai.com/japan/
トレンドマイクロ − ウイルスバスターで有名。ウイルス情報も多数。
http://www.trendmicro.co.jp
■公的機関
IPAセキュリティセンター − 国内ウイルス情報の総本山。初心者向けガイドも。
http://www.ipa.go.jp/security/
国民生活センター − 各種トラブルの事例や相談
http://www.kokusen.go.jp/
■インターネット利用の手引き
Yahoo!きっず ペアレンツガイド − Yahoo!きっずの両親向けガイド。
http://kids.yahoo.co.jp/docs/info/pg/index.html キッズgoo 保護者の方へ − 保護者向けインフォメーション
http://kids.goo.ne.jp/info/parents.html
■子ども向けサイト
Yahoo!きっず − 子ども向け検索ページ
http://kids.yahoo.co.jp/ キッズgoo − 子ども向け検索ページ
http://kids.goo.ne.jp/
■フィルタリング
Cyber Patrol 5 − フィルタリングソフトの紹介
※CyberPatrolは下記の商品に変わりました。
サーフコントロール ウェブフィルター
http://www.filtering.jp/
フィルタリング − iフィルターの紹介
http://www.daj.co.jp/filter/index.htm Norton Internet
Security − セキュリティソフトに保護者機能も搭載
http://www.symantec.com/region/jp/products/nis/
@niftyコンテンツフィルタサービス − プロバイダ側で有害情報をカット
http://www.nifty.com/cfilter/index.htm DION有害サイトブロックサービス − こちらもプロバイダの無料サービス
http://www.dion.ne.jp/dialup/service/block.html
改訂履歴
2002/10/13 Ver1.00 初版作成 ▲ トップへ戻る ▲ |